土曜日, 7月 31, 2010

世の中はインセンティブで捉える。

経済学の入門書を開くと最初に出てくるのが「インセンティブ」という単語だ。いわゆる「キホンのキ」であるのだが、私はこれが世の中を理解し、かつ政策・戦略を考える上で最も重要なんではないかと考えている。

インセンティブは日本語にすると「誘因」といういまいちピンとこない言葉になるのだが、私はこれを「人々がある行動に向かう理由・きっかけ」というふうに理解している。

例えば政府が消費税を値上げすると消費者は支出を減らすだろう。これを「消費軽減のインセンティブが働く」などと表現する。あるいは最低賃金を高く設定しすぎると一定の人々はまじめに働かなくなるだろうし、企業は海外に安い労働力を求めるだろう。また「生産地表示義務化」のケースでは人々が食品の産地にこだわるようになり販売者は産地を偽装するインセンティブが働くかもしれない。

つまり、「なぜその結果になったのか」は「人々にどんなインセンティブが働いたのか」で考えれば理解しやすいし、また販売戦略や政府の政策を考える場合には「(相手に)こちらの期待する行動を取らせるにはどういうインセンティブを刺激すればいいか」という視点で考えると分かりやすくなる。

結局のところ人間という生き物は他の生物同様に細胞・組織の集合体に過ぎず、自分で決定しているつもりでもさまざまな外的要因によって知らず知らずのうちに影響を受けている。だから人々が負のインセンティブを理解し、正のインセンティブに向かうよう仕組みを調整することで、世の中はもっと上手く回るのではないだろうか。

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